子育て世代に筋トレをおすすめする理由

忙しい子育て中こそ、**筋力トレーニング(筋トレ)**を生活に取り入れる価値があります。
厚生労働省の身体活動ガイドによると、筋トレには自重を使う腕立て伏せやスクワットなどの自重トレーニングと、ダンベルなどを利用するウエイトトレーニングがあり、胸や背中、腕、腹、臀部、脚などの大きな筋群をまんべんなく鍛えることが推奨されています

筋肉を発達させるには日常生活以上の負荷をかけ、少しずつ負荷を高める「漸進性過負荷の原則」を守ること、そして休息日を設けて筋肉を休ませることが重要です
年齢を問わず筋肉は鍛えられ、特に筋力が低下しやすい高齢者には積極的な筋トレが勧められています

筋トレは身体だけでなく心にも良い影響があります。

内科・心療内科のクリニックによると、運動にはストレスホルモンの分泌を抑え、エンドルフィンやセロトニンといった脳内物質を放出して気分を改善する効果があり、抑うつ症状や不安感の軽減、自己肯定感の向上、睡眠の改善に役立つとされています

短時間でも週2〜3回の筋トレを習慣にすることで、育児疲れやストレスを減らし、元気に過ごすための体力とメンタルを養えます。

忙しいパパママでもできる自宅筋トレメニュー

子どもの世話や家事で時間が取れない方でも、自宅で5〜10分でできるシンプルな筋トレを取り入れられます。

下記のメニューは器具不要で、全身の大きな筋肉を効率よく鍛えます。

スクワット – 下半身を一度に鍛える

  • 効果: 太もも・お尻・ふくらはぎなど下半身全体を鍛え、基礎代謝を上げることで太りにくい体質づくりに役立ちます

  • やり方:

    1. 足を肩幅に開き、つま先をやや外側に向け背筋を伸ばす。

    2. 腕は前に伸ばすか胸の前でクロスし、息を吸いながら腰を落とし、太ももが床と平行になるまでしゃがむ。

    3. 息を吐きながら元の姿勢へ戻る。

    4. 15〜20回×3セットを目安に行い、膝を曲げるのではなくお尻を後ろに引くイメージで行うと良い。

ヒップリフト – お尻と腰まわりを引き締める

  • 効果: 仰向けで行うため初心者でも取り組みやすく、特にお尻の筋肉やもも裏の筋肉を鍛えられます

  • やり方:

    1. 仰向けに寝て膝を90度に立て、足を肩幅に開く。

    2. 手は体側に置き、かかとと肩で体を支えながらゆっくりお尻を持ち上げる。

    3. 肩から膝まで一直線になる高さで数秒キープし、ゆっくり下ろす。

    4. 15〜20回×3セットを目安に、お尻の筋肉を意識しながら行う。

プランク – 体幹を強化して姿勢改善

  • 効果: 腹筋だけでなく腕や背中にも効き、体幹を鍛えることで姿勢改善や腰痛予防に役立ちます。

  • やり方:

    1. 両肘と両つま先を床につけ、頭からかかとまで一直線になる姿勢を作る。

    2. この姿勢を 30秒×3セットキープし、慣れてきたら1分を目標にする。

    3. 腰が上がったりお尻が落ちたりしないよう、体を真っ直ぐに保つ。

筋トレ効果を高める食事と栄養

タンパク質の必要量と食材

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人男性(18〜64歳)のタンパク質推奨量は1日65g、成人女性は50gですが、これは欠乏を防ぐ最低量です。

運動習慣がない人は体重1kgあたり0.95g、週1回以上運動する人は体重1kgあたり約1.6g、65歳以上は体重1kgあたり1.0gを目安にすると良いとされています

管理栄養士の解説では、運動しない人は体重×1g、筋トレをする人は体重×1.3〜1.5g、毎日トレーニングを行う場合は体重×2gまでタンパク質を摂取しても良いとされています

タンパク質の摂取は1日3食に分け、1回の食事につき20g以上摂ることが推奨されており、偏りなく摂ることで筋肉の合成と回復を効率良く行えます。高タンパク食品の例を以下に示します。

食品グループ タンパク質含有量(100gあたり)
肉類 生ハム、鶏ささみ、牛もも肉、豚ロース 18〜24g
魚介類 いわし丸干し、するめ、いくら 32〜69g
卵類 ゆで卵、卵黄 12〜16g
大豆製品 きな粉、油揚げ、納豆、豆腐 5〜36g
乳製品 パルメザンチーズ、牛乳、ヨーグルト 3〜44g

※数値は文部科学省「食品成分データベース」の値を元にしたもの。

バランスの良い栄養摂取

タンパク質だけでは筋トレの効果を最大限に発揮できません。管理栄養士によると、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂ることが重要で、どれか一つでも欠けると身体は十分に機能しません

炭水化物はエネルギー源、脂質は細胞膜やホルモンの材料、ビタミン・ミネラルはタンパク質代謝や筋肉の収縮に関わります

  • 炭水化物:白米、玄米、オートミール、バナナ、さつまいもなど。

  • 良質な脂質:オリーブオイルやナッツ、アボカド、青魚の脂など。

  • ビタミン:魚の赤身(ビタミンB6)、柑橘類(ビタミンC)、モロヘイヤ(ビタミンE)など。ビタミンB6はタンパク質の代謝を促し、筋肉修復を助けます

  • ミネラル:ほうれん草やアーモンド(鉄分・カルシウム)、赤身の肉(マグネシウム)など。カルシウムとマグネシウムは筋肉の収縮に関わり、不足すると筋トレ後の痙攣の原因になることがあります。

また、コンビニで購入できる食品でも高タンパク・低脂質のものを選べば忙しい日の食事を補えます。サラダチキンやプロテインバー、ゆで卵、プロセスチーズ、プロテイン入りミルクドリンク、カットフルーツなどは手軽に栄養を補給でき、梅干し入りのおにぎりはクエン酸による疲労回復効果も期待できます。

食事の順番とタイミング(ダイエット向け)

ダイエットを成功させるためには、食事内容だけでなく「順番」と「時間帯」を意識することが重要です。医療クリニックの記事では、血糖値の急上昇を防ぐために以下の3ステップを推奨しています。

  1. 野菜・きのこ・海藻など食物繊維の多い食品から食べる – 食物繊維は糖質や脂質の吸収をゆるやかにします。

  2. 次にたんぱく質をしっかり摂る – 鶏むね肉や豆腐、卵、魚などで満腹感を得やすく、筋肉の維持と代謝アップに役立ちます

  3. 糖質は最後に少量 – ごはんやパンは控えめにし、血糖値の急上昇を避けます

食事の時間帯も大切です。朝食は起床後1時間以内に必ず食べて代謝を上げ、昼食は1日の中で最もしっかり食べ、夕食は就寝の3時間前までに済ませて糖質を控えめにすることが推奨されています。

空腹時間が長くなると血糖値の乱高下を招くため、午後3時頃にナッツやプロテインバーなどで軽く間食をするのも良いとされています

ダイエット成功のポイント

科学的なダイエットアプローチでは、サプリメントはあくまで補助であり、基本となる3つの柱が重要だと専門家は指摘しています。

  • 食事管理 – カロリーコントロールと栄養バランスを意識する。

  • 運動 – 筋トレと有酸素運動を組み合わせる(ウォーキングやジョギングなど)。

  • 生活習慣の改善 – 良質な睡眠とストレス管理を心掛ける。

これらをベースに、必要に応じてL-カルニチンや緑茶カテキンなど脂肪燃焼を助ける食品やサプリメントを取り入れる方法も紹介されています。

ただし、サプリメントの利用は目的と体調に合わせて適切なタイミングで使用することが大切です。

忙しい人におすすめの間食・補助食品

コンビニやスーパーで手軽に買える以下の食品は、高タンパクで栄養バランスも良く、忙しいパパママの強い味方です。

  • サラダチキン:1個で約20gのタンパク質が摂れ、脂質は少なめ。

  • プロテインバーやプロテイン入りミルクドリンク:糖質が控えめで手軽にタンパク質を補給できる。

  • ゆで卵・プロセスチーズ:コンビニで買える完全栄養食品で、ビタミンB2が多く脂質の代謝を促進する。

  • 梅干し入りおにぎり:クエン酸が疲労回復をサポートする。

  • カットフルーツ(バナナ、リンゴなど):ビタミンやミネラルを補い、エネルギー補給にも適している。

まとめと次へのステップ

子育て世代のパパママでも、毎日数分の筋トレとバランスの良い食事を心掛けることで、体力・健康・メンタルの向上が期待できます。

  • 筋トレは自重や簡単な器具で行えるスクワット、ヒップリフト、プランクなどがおすすめです。筋肉は年齢に関係なく鍛えられ、漸進的に負荷を増やし、十分な休息を取ることが重要です。

  • タンパク質は体重と運動量に応じて1日あたり50〜130g程度を目安にし、1食当たり20g以上を意識しましょう。

  • 食事は食物繊維→タンパク質→糖質の順番で食べ、朝食を抜かない、夕食は早めに済ませるといったタイミングも大切です

  • ダイエット成功には食事管理・運動・生活習慣の改善という三本柱が必要で、サプリメントはあくまでも補助として利用します。

無理のない範囲で今日から始めてみましょう。習慣化すれば、肩こりや腰痛の予防、ストレス軽減、体型維持に大きな効果が期待できます。パパママが元気でいることは、子どもにとっても大切なことです。ぜひ家族みんなで健康づくりに取り組んでください。