はじめに
赤ちゃんとの毎日は、喜びにあふれる時間であると同時に、体への負担も大きいものです。
特に「抱っこ」は、育児に欠かせない動作ですが、腰や手首、膝に負担をかけやすく、腰痛や腱鞘炎に悩むママやパパは少なくありません。
「赤ちゃんはかわいいけど、抱っこするのがつらい」
「手首が痛くて家事や育児に支障が出ている」
そんな声をよく耳にします。
この記事では、体を痛めずに赤ちゃんと快適に過ごすための 正しい抱っこのコツ を、分かりやすく解説していきます。
抱っこで痛めやすい部位とは?
1. 腰
赤ちゃんを長時間抱っこしていると、無意識のうちに反り腰や猫背になり、腰に大きな負担がかかります。特に産後のママは骨盤がまだ安定していないため、腰痛が起こりやすいです。
2. 手首(腱鞘炎)
「ドケルバン病」と呼ばれる産後ママに多い手首の腱鞘炎は、赤ちゃんの頭やお尻を支える動作が原因で起こります。手首を小刻みに使いすぎることが大きな負担となります。
3. 膝
赤ちゃんを抱き上げたり、抱っこしたまま立ち上がったりする時に、膝へ強い負荷がかかります。特に下半身の筋力が落ちていると、膝痛や違和感が出やすくなります。
正しい抱っこの基本姿勢
1. 背筋をまっすぐ伸ばす
腰を反らしたり丸めたりせず、 背筋をスッと伸ばして胸を開く姿勢 を意識しましょう。猫背にならないだけで、腰への負担が大きく減ります。
2. 赤ちゃんを体に引き寄せる
腕だけで支えるのではなく、赤ちゃんを自分の体に密着させます。体幹で支えるイメージを持つことで、腕や腰への負担を分散できます。
3. 肘は軽く曲げる
肘をピンと伸ばして抱っこすると、肩や手首に負担が集中します。 肘を曲げて腕全体で支える のがポイントです。
4. 足幅を広げて安定姿勢に
抱っこしているときは、足を肩幅より少し広めに開いて立ちます。バランスが安定し、腰や膝への負担が軽減します。
腰痛を防ぐ抱っこのコツ
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抱き上げるときは腰を曲げない
赤ちゃんを拾い上げる時は、腰を曲げるのではなく、 膝を曲げてしゃがみ、太ももの力で持ち上げる のが基本です。 -
長時間の抱っこは左右を入れ替える
いつも同じ側で抱っこすると、体が歪んで腰痛の原因になります。定期的に左右を入れ替えましょう。 -
骨盤ベルトや抱っこひもを活用する
腰が不安定な時期は、骨盤ベルトでサポートしたり、体に合った抱っこひもを使用すると腰痛予防になります。
腱鞘炎を防ぐ抱っこのコツ
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手首で支えず腕全体で抱く
手首だけで赤ちゃんの重さを支えると腱鞘炎の原因になります。 前腕や肘で支える意識 を持ちましょう。 -
親指を立てて支えない
赤ちゃんのお尻や頭を親指で支える動作は特に腱鞘炎を悪化させます。 手のひら全体を使って支える ようにしましょう。 -
サポートクッションを使う
授乳クッションや抱っこクッションを使えば、手首の負担を軽減できます。授乳時以外にも活用できます。
膝を守る抱っこのコツ
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立ち上がるときは片足を前に出す
赤ちゃんを抱っこしたまま立つときは、両足を揃えず 片足を前に出して支点を作る と安定して立ち上がれます。 -
スクワット動作で動く
しゃがむときは膝と股関節を一緒に曲げてスクワットのように動きます。腰や膝への負担を和らげることができます。 -
便利グッズの活用でさらに快適に
1. 抱っこひも
体に合った抱っこひもを使うことで、腕や腰の負担が大幅に減ります。特に腰ベルト付きのタイプは腰痛予防に効果的です。
2. 授乳クッション
赤ちゃんを置く位置を高くできるため、手首や腰への負担が軽減されます。授乳時以外に抱っこのサポートとしても便利です。
3. 骨盤ベルト
産後のママには必需品。骨盤を支えることで腰痛を予防し、安定感も高まります。
筋トレやストレッチも効果的
育児の合間に軽い筋トレやストレッチを取り入れることも、腰痛や腱鞘炎の予防になります。
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腰痛予防:お尻・太もも・体幹の筋肉を鍛える
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腱鞘炎予防:手首を回したり、ストレッチでほぐす
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膝のケア:スクワットや太もも前のストレッチ
無理のない範囲で少しずつ取り入れていくと、体の回復が早まります。
まとめ
赤ちゃんとの抱っこは、スキンシップの時間であり親子の絆を深める大切な瞬間です。
しかし、間違った抱っこを続けてしまうと、腰痛や腱鞘炎、膝の不調を引き起こしてしまいます。
今日からできる「正しい抱っこのコツ」は――
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背筋を伸ばして体に密着させる
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腰は曲げず膝を曲げて持ち上げる
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手首に頼らず腕全体で支える
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長時間の抱っこは左右を交互に
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便利グッズを活用して体の負担を減らす
体を守ることは、赤ちゃんと笑顔で過ごす時間を守ることにつながります。
無理をせず、正しい抱っこを意識して、快適な育児ライフを送りましょう。